風のない十字路

邦楽洋楽のアルバムレビューを主に書いてます。

ZARD『永遠』 - アルバムレビュー vol.107

107
1999年2月リリース

1. 永遠
2. My Baby Grand~ぬくもりが欲しくて~
3. WAKE UP MAKE THE MORNING LAST~忘れがたき人へ~
6. 遠い星を数えて
7. 新しいドア~冬のひまわり~
8. GOOD DAY
9. I feel fine,yeah
10. 少女の頃に戻ったみたいに
11. 息もできない
13. フォトグラフ

赤字はお気に入り曲
太字はシングル曲


【概要】

今年も5月27日が来ました。坂井泉水さんが亡くなって今年で9年。
早いものです。ZARDの曲を聴くたびに坂井さんを思い出すし、沢山の
曲に思い入れがあるので複雑な気持ちになります。

去年は『TODAY IS ANOTHER DAY』をレビューしました。今年は次作
である99年の『永遠』をレビューしました。96年~98年の超濃密な3年間
にリリースされたシングルが主なアルバムですが、どうぞ。

 
【全曲レビュー】

1. 永遠
97年夏リリースのシングル曲。シングルジャケットとPVでは赤いジャケット
を着ている坂井さんの姿がとても印象的だった。

しっとりとしたバラードでドラマ「失楽園」の主題歌としてオンエア、大ヒット
した。「君と僕との間に~♪」という2番のサビが頭にこびりついています。
力強い歌声が良い。
 
2. My Baby Grand ~ぬくもりが欲しくて~
97年冬リリースのシングル曲。大ヒットという感じではなかったが、ZARD
の冬の定番となったロックバラード。タイトルは坂井さんがレコーディング
時に使用していたおもちゃのピアノのことだそう。個人的に大好きな曲。
ファンの人気もけっこう高いようだ。名曲。


3. WAKE UP MAKE THE MORNING LAST ~忘れがたき人へ~
ミディアムテンポのポップチューン。アルバム中では地味な方だと思う。
 
4. Brand New Love
第3期WANDSの2ndシングル曲として詞を提供したものをセルフカバー。
WANDSのものと同様かなりゴリゴリなギターロックでクールな印象。
「アルコールは偉大なる文学者の言葉よりすばらしい」という部分は
坂井さんのイメージとは少し異なるが面白い。

5. 運命のルーレット廻して
おなじみ(?)名探偵コナンのオープニング曲として有名な98年のシングル。
僕が「Don't you see!」の次に好きなZARDの曲としても(?)有名。
サウンドや歌詞などを含めて、ZARDの中でもかなりドキドキさせる
サウンドメイキングだと思う、これから何かが始まるようなスリルっぽい
雰囲気がたまらない。名曲!

 
6. 遠い星を数えて
大人なムード漂うしっとりしたバラード。ピアノメインで落ち着いた感じ
が全編で堪能できる。サビメロが心地よい。アルバム収録曲の中でも
個人的に気に入っている曲のひとつ。
 
7. 新しいドア ~冬のひまわり~
98年冬に次の曲8と同時シングルリリースされた。2曲ともバラード寄りだが
こちらの曲の方が明るくポップさが上だ。定番のZARD節といった曲で発売
当時はこちらが好きだった。 

8. GOOD DAY
7と同時リリースされたシングル。本格的なロックバラードでありサビでの
坂井さんの熱唱ぶりがなかなか熱い。発売当初より時が経ってからは
かなりお気に入りの曲になった。ここまで熱唱系のバラードは案外ZARD
では珍しいのでは?
 

9. I feel fine,yeah
タイトルだけ見ると倉木麻衣の曲と勘違いしそう(あっちは「feel fine!」か)
案外ハードでラウドなバック演奏だというのがわかる。少し曲バランスが
不安定だと思うのは自分だけか。
 
10. 少女の頃に戻ったみたいに
シングル5のカップリング曲ではあるがこちらは名探偵コナンの劇場版で
ある名作「14番目の標的(ターゲット)」の主題歌という大型タイアップ。
映画のラストに流れると情緒たっぷりで雰囲気も素晴らしい。数あるZARD
バラードでも人気も非常に高い。僕も大好きな曲。小五郎のおっちゃんが
かっこよかったんだよなぁ~
 
11. 息もできない
98年春のシングル曲でアニメ「中華一番」の主題歌だった。イントロが
好きで曲がかかるとワクワクしてくる、そしていきなりサビから入るのも
刺激的だろう。恋する若い女性のことを歌う歌詞も坂井さんらしくて
清々しい、一般的なZARDのイメージを地でいく曲だろう。
 
12. 風が通り抜ける街へ
97年7月(翌月には1をシングルリリースしている)のシングルで名曲ばか
りの97年のシングル5曲の中では一番印象が薄い曲だろう。売り上げも
少し低かった気がした。ジャケットに写るピエロがインパクトがある。
初夏らしさ爽やかな曲でコーラスやメロディが気持ちよい。
 
13. フォトグラフ
アルバムを締めくくるラストのバラード曲。切々と歌い上げる坂井さんの
姿が思い浮かぶような気がする。メロは少しマイナーで暗めではあるが
サビに向かって盛り上げて、切ないサビメロは心にグッとくるものがある。
99年の伝説の船上ライブでも歌ったという坂井さんにとっても大事な
曲なのだろう。素晴らしい締めだ。


【アルバムの感想】

B'zに続き様々な記録を保持しているZARD。彼女のオリジナルアルバム
としては最後のミリオンヒットアルバム
でもある『永遠』は全13曲中シングル
曲が半分を占めておりベスト盤っぽさも感じる(ミスチルの『BOLERO』の
ような)が前作が96年だったことと、その間のシングルリリース量が半端
なかったから仕方ないか。

97年に5作、98年に4作でこの間9曲ものシングルリリースと全盛期の浜崎
あゆみ並みに出していた。
そしてすべて高いクオリティである。
僕が一番好きなZARDは96年~98年だ。すべて大好きである。

99年以降は若干パワーダウンして売り上げも減少傾向になっていったこと
を考えるとやはりこの3年間の充実ぶりは圧巻だろう。まあZARDの1ファン
としての意見なので多めに見てください(笑)

来年もこの日にはZARD作品をレビューするのでお楽しみに。
あ、でも普通の日もZARDのレビューするかもしれないよ。

やはりZARDは、坂井さんは『永遠』です。 この日を忘れないように。