風のない十字路

邦楽洋楽のアルバムレビューを主に書いてます。

ZARD 『OH MY LOVE』 - アルバムレビュー vol.129

1994年6月リリース

1. Oh my love
2. Top Secret
3. きっと忘れない
4. もう少し あと少し・・・
5. 雨に濡れて
6. この愛に泳ぎ疲れても
7. I still remember
8. If you gimme smile
9. 来年の夏も
10. あなたに帰りたい

 

2015年5月27日のブログ『TODAY IS ANOTHER DAY』
2016年5月27日のブログ『永遠』
2017年5月27日のブログ『君とのDistance』

今年で坂井泉水さんが亡くなって早11年が経ちます。いや、なんか早すぎる、もうそんなに
時間が経過したなんて恐ろしい。しかしZARDは永遠にあり続ける存在。
今年もZARDを坂井さんのお声をしっかりと聴いていきたいと思います。

今回は5作目のオリジナルアルバム『OH MY LOVE』です。まさにセールス、人気ともに
絶頂期ともいえる時期の超力作だと思います。


1. Oh my love
1曲目からアルバムタイトル曲。さわやかな印象のエレキとアコギの音からスッとボーカル
に入っていく、清涼感たっぷりの坂井さんの声でたまりません。アルバム曲でありながらも
人気はかなり高く『SUN&STONE』をはじめベスト盤には必ず入ってくるという名曲。
恋人とのデートの情景が淡く描写されている歌詞も良い。

2. Top Secret
いきなり「今夜のシチュー自信あったのに」ときました。食べたいですそれ(笑)な1曲。
うっすら昔の元恋人に未練があるのか、と思わせるような歌詞が面白い。曲自体は正統派
のJ-POPで聴きやすい。

3. きっと忘れない
10枚目のシングル曲。95年までのシングル曲の中では比較的に好きな1曲です。アルバムver
を聴くにイントロのアカペラがゆったりしてるし、コーラスなんかもエコーが強めにかかって
いて少し印象が変わります。アルバム発売が夏直前あたりなので歌詞に冬の情景が出てきて
いるのが逆にこの曲の印象を強くしている。

4. もう少し あと少し・・・
9枚目のシングル曲。シングル発売当時タイトル通りに惜しくもオリコンチャート2位を記録した
この曲だが、1位だったのが槇原敬之のシングル「No.1」だったというのは有名なエピソード。
不倫をしている女性のことを歌った歌詞がなかなかに強烈だがやはり「追伸:あなたの生まれた家を
見てきました」はちょっとコワイ(笑)

5. 雨に濡れて
前年リリースのZYYG,REV,ZARD&WANDS「果てしない夢を」のCW曲のZARDセルフカバー版。
当然だが全編において坂井さんがボーカルだが先にオリジナル版を聴きまくっていた僕は当時なんか
物足りない感じがあって(最後のサビ部も無くなってるし)それほど好きじゃなかった。しかし今聴く
坂井さんが単独で歌ったほうが切なさがよく出ていて良いんじゃないかと思えた。名曲!

6. この愛に泳ぎ疲れても
11枚目のシングル曲。95年までのシングル曲の中では一番好きかもしれない、この曲の1番サビ後
に急に転調してロックテイストになるのが当時とても斬新でZARDもこんな曲やるんだな~と思った。
サスペンスドラマシリーズの主題歌でもあった(見たことはないけど)ので余計にこのダークさが
マッチしていた。作曲は織田哲郎、彼の得意分野のロックな面が上手くZARDと融合していた。

7. I still remember
ピアノのイントロから始まる情緒あふれるバラード曲。恋人との別れを思い出している女性目線の
かなり切ない内容なのだが坂井さんの声の温かさで救われている印象を持つ。99年のベスト盤
『Request Memorial』にも収録されて僕は思わず唸ったのをなんとなく覚えてる。間奏のギター
ソロはかなりな名演だ。


8. If you gimme smile
アルバム中で一番単純に明るいポップチューン。倉木麻衣の「Feel Fine!」みたいな感じだろうか。
ZARDがライブアーティストであったならこの曲は盛り上げ曲にはもってこいなんじゃないかな、
途中ハンドクラップとかあるし。

9. 来年の夏も
夏をテーマにしたセレクトアルバム『SUN&STONE』にも収録されたミディアムテンポな1曲。
基本的に夏が嫌いな自分にとってZARDの歌う夏は救いの手みたいな感じで、この曲の清涼感は
たまらないです。曲でたびたび顔を出す、軽やかに踊るようなピアノがとても好きだったりします。
付き合いはじめたカップルの近い未来を願う歌詞も好きです。

10. あなたに帰りたい
ZARDでは珍しい6分超えのロックバラード。秋冬をテーマにしたセレクトアルバム『LEAF&SNOW』
にも収録された。ロックテイストなのが最終盤にはストリングスがメインになるところが壮大さを
感じさせる。この「あなたに帰りたい」という表現は坂井さんらしいというか彼女にしかできない
詞の表現の幅の広さだろう。


全10曲で非常に内容の濃いアルバムだと改めて感じました。シングル曲3曲も上手くアルバム内に
溶け込んでいて違和感がまったくない。あくまで個人的にだが90年代ZARDで一番好きなアルバムは
『HOLD ME』だが完成度的には『OH MY LOVE』を推したいと思います。

これはウィキペディアを見て知ったことだがこのアルバム全10曲のうちなんと8曲もが『Forever Best』
に収録されているのだ。これはいかにこのアルバムから人気曲が生まれていたかということ。
この時期のZARDといえば栗林誠一郎織田哲郎でこの二人で全曲を作曲しているのも注目すべき点。

ちなみにこのアルバムジャケットやブックレットの写真はなんとなく水彩画っぽくモヤがかかったよう
な処理がされていて妙に坂井さんが神秘的に見えるのもすごく良い。この愛に泳ぎ疲れても」「I Still
 Remember」の歌詞のページのGジャン、ジーンズの坂井さんが個人的にベストショット(なんの話を
してるんだ自分は..)で横顔も美しいですよね。

命日である5月27日はたっぷりZARDを聴いて思い出に浸りたいですね。

 


Oh my love


この愛に泳ぎ疲れても