風のない十字路

邦楽洋楽のアルバムレビューを主に書いてます。

TM NETWORK『humansystem』 - アルバムレビューvol.134


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1987年11月リリース

1. Chilren of the New Century
2. Kiss You("More Rock")
3. Be Together
4. Human System
5. Telephone Line
6. Leprechaun Christmas
7. Fallin' Angel
8. Resistance
9.Come Back to Asia
10. Dawn Valley(Instrumental)
11. This Night

 

今年デビュー40年を迎えたTM NETWORK
この間13枚のオリジナルアルバムを世に出してきた彼らの
最高傑作と位置付けても間違いのない作品が5作目のオリジナル
アルバムである『humansystem』である。

 

1. Chilren of the New Century
幕開けの1曲。アルバム1曲目としても13作品の中でも
一番リスナーをワクワクさせてくれる高揚感を感じる。
私が参加した2015年の30周年期のラストライブでも披露
されていたので余計思い入れも強い。

2. Kiss You("More Rock")
シングル曲にもなっているがより重厚感を増したミックス
が施されている。基本TMのライブでは定番のナンバーに
なっているが個人的には好きでも嫌いでもないくらい(笑)

3. Be Together
若い世代には鈴木あみの、、ってそれさえもすでに25年も前に
なっているが結局彼女の最大ヒット曲になったが元はTMの曲。
最近だと乃木坂46がTMのトリビュート盤でカバーしている。
アップビートの王道ポップチューンでこちらもライブの定番。
B'zの松本孝弘がこの曲でギターを担当している。


4. Human System
大胆に「トルコ行進曲」のメロディをイントロ~アウトロに
取り入れ展開するミディアムテンポのナンバー。ある少年と
ある少女の出会いを歌うものだが小室みつ子の作詞が本当に
素晴らしい。間奏のサックスソロも情緒あふれる演奏でこの
曲に花を添えている。個人的にTM NETWORK最高の1曲!


5. Telephone Line
いわゆる「木根バラ」の1曲。イギリスのロックバンドELOに
同名曲があるがそこから影響を受けて作られた曲でまだ世に
携帯電話、スマホなんてものがない時代を生きてきた人なら
思わず聴きながら頷いてしまうだろう。ロマンチックな1曲。


6. Leprechaun Christmas
レプラコーンクリスマスと読む、クリスマスソングぽさも
あるがギターはけっこう激しいプレーしており不思議な魅力
を持つ曲。小室と木根のコーラスも相変わらず上手い。


7. Fallin' Angel
この曲も前曲のようにクリスマスの雰囲気を持つがテクノ
ポップ寄りでサラッとした印象を受けるが宇都宮のボーカル
が少し無機質な曲の中でとても暖かくしてくれているのがミソ。

8. Resistance
シングルとしてヒットした曲で「Get Wild」にも近い彼らの
王道テイスト路線だが元々はバラード調で製作されたという
のは驚きである。T-SQUARE青山純がドラマーとして参加
してよりロックな響きを与えている。


9.Come Back to Asia
国外から見た日本を表現した曲で、オリエンタルな雰囲気たっ
ぷりでこのアルバム内では異色ではあるが、この9曲目に配置
されているのが絶妙なバランスだと思う。この曲も木根バラと
言ってしまってもいいだろう。

10. Dawn Valley(Instrumental)
個人的に小室哲哉は凄い!となったのがこのインスト曲。
ある種映画音楽のようなテイストだがとにかくメロディが
美しい。そしてピアノと共に奏でられるフリューゲルホルン
グラミー賞を何度も受賞しているジェリー・ヘイ。
もう素晴らしすぎて何度聞いても鳥肌もの。

11. This Night
最後のこの曲もクリスマスソングであるが、旋律をなぞるギタ
ーの音色がしとやかで綺麗。サックスもベースも大人な音を
出していて、静かにフェードアウトしていく様が物悲しい。

 

この『humansystem』は彼らに初のオリジナルアルバム1位の
栄冠を与えた作品でもありこれ以降TM NETWORKは躍進して
いくことになるが、一番TM NETWORKらしさを知りたければ
『humansystem』か前後の『SELF CONTROL』『CAROL』を
聴くのが良いと私は思う。

余談だがこの作品だけ録音音量が小さいのは有名で、私も
初めてCDで聴いた時に「あれ?音ちっさ!」となりテープや
MDにダビングした際はこのアルバムの曲だけ音量を上げないと
いけなかった。
しかし、2013年にBlu-specCD2盤がリリースされた際には
音量も他の作品と同じように修正(?)されていたのでこちらを
購入するのが良いと思われます。

37年前の作品ですが、現代に聴いても違和感のない音作りを
した彼らは本当に素晴らしいミュージシャン。後世に語り継ぎ
たいものですね。

ZARD『運命のルーレット廻して』


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1998年9月17日 リリース

25年前に世に出たZARDのシングル曲。

僕がZARDの曲で2番目に好きな曲。

かの「名探偵コナン」のオープニング曲にも起用され当時16歳の僕は「ついにコナンにZARDきましたか!ひゃっほう!」みたいな謎テンションだったのを覚えてる(笑)

 

ZARDファン以外にはそれほど知られては居ないのだろうが、コナンOPに使用されたバージョンは実は音源化はされていない。というのもこの曲には多数のバージョンが存在していてどれをアニメに使うか、CD化にはどれを使うか、試行錯誤をかなり重ねたようだ。

 

結局、リリースされた最初のシングルCD盤や後のベスト盤にはイントロがスパニッシュ調のギターから始まるバージョンが起用されていて現在Spotifyなどのサブスクで聴けるものも当然これ。

ZARDのシングル曲の中でもとりわけ曲全体を通してドラマチックでハード目なギターサウンドが特徴だろうか。アウトロは坂井泉水のボイスを聴きながら余韻を残しながらフェードアウトしてゆくのも味がある。

 

やはりアニメとの親和性が強く、僕はあのオープニングアニメがめちゃくちゃ印象深い。あの頃はよくコナンを見ていたせいもあり早くリリースしないのかなとはやる気持ちでいっぱいだったものだ。TVオンエアからだいぶ経ってからのリリース予定にヤキモキしたし、すでにフラゲ日というものがあるのを知っていた僕はリリース日の前日に馴染みのCDショップに買いに走ったものだ。

 

この曲で特に僕に深く刺さったのがサビで何度か出てくる【ずっと君を見ていた】というフレーズだ。ここの彼女の歌唱はとてもパワフルで何度聴いてもゾクゾクさせられる。坂井泉水の歌声は爽やかさや柔らかさが特徴だと思うが、時折ロックボーカリストにも劣らない力強さも感じさせる。この曲では特にそう感じた。以来25年間この曲は自発的によく聴く大好きな曲だ。

 

2016年に(この頃は特にコナンを見てはいなかったが)LaPomPonという女の子グループがカバーしてエンディング曲として流れたと知り、すぐに見た時には「坂井さんじゃないけど、うわ、なにこれ泣けるじゃないか…」という感情になった。

名曲は歌い継がれていくんだな〜。ありがとう。

 

カップリングの「少女の頃に戻ったみたいに」も名バラードで劇場版コナンの『14番目の標的(ターゲット)』の主題歌に起用されているが、こちらも個人的にZARDマイベスト10に入れたい曲だったりする、こちらも一聴の価値ありだ。

 

最後に「運命のルーレット廻して」というタイトルも大好きだ。名曲感が凄い。実際に名曲だからもっと凄い。

TM NETWORK 「Whatever Comes」


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2023年9月8日リリース

 

全Fanks待望のTM NETWORKのニューシングル。

『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』のオープニング曲として使用されている。

TM NETWORKの一般流通販売されているシングルCDとしては2014年の「LOUD」以来9年ぶりとなる。

 

シティーハンターの新たなオープニング曲として作られたこの曲は小室哲哉が「ライバルはGet Wild」とメディアで語っていたように36年という長い年月シティーハンターの顔、ひいてはTM NETWORKの顔でもあるゲワイを意識して相当力を入れて制作されたことが窺える。

 

イントロから高揚感溢れるギターリフとシンセで一発で「ああ、小室さんの作るTMの曲だわ〜」という安心感と興奮で満たされる。そして宇都宮隆の変わらない歌声にさらに頬が緩くなり、小室と木根尚登の絶妙なコーラスワークが曲を支えてくれているのを強く実感させられた。

 

そして絶対に外せないのは4人目のTM NETWORKのメンバーといっても間違いはない作詞の小室みつ子の紡ぐ明日への希望を記した歌詞もやはり素晴らしい!TMの長い歴史の要所要所では彼女の作詞した曲が存在感を示してきた。そして今回も40年目を来年に控えたこのタイミングで改めてTM NETWORKの健在ぶりに一役買ってくれて大感謝である。

 

6月にアルバム『DEVOTION』をリリース(オリコン初登場4位!!)している彼ら。これまであまり、というかほとんどなかったはずだか小室が積極的にギタープレイを披露しているのが驚いた。

「小室さんて鍵盤のイメージ強すぎてギター掻き鳴らす姿ってあったか?」と思ったがよくよく思い出すとglobeでのライブなどではギター弾いたりしてるのを見かけた。アルバム表題曲「DEVOTION」やこの曲「Whatever Comes」ではアグレッシブなプレイをしている。

つい数日前からライブツアーも府中からスタートさせたがステージ上では弾くのだろうか?

 

それにしてもウツさんはなぜもここまで歌声が変わらないのだろうか?そりゃあ年齢による身体の衰えは絶対あるはずだが、そういう意味ではウツさんはとんでもない気がする。2012年~2015年の頃からほぼ変わらないし、さらに声の甘さに磨きがかかっているようにも思う。60代半ばであの歌声は反則ではないか。まあTHE ALFEEとかいうバケモン3人組もいるが(笑)

 

木根さんにおいてはエレキギターの巧みさがめちゃくちゃ上がっていたのが先日見たYouTubeのゲワイの映像でわかった。「え!?木根さんてばギターソロ思いっきり弾いてるじゃんか、凄ッ!」となったのが記憶に新しい。見た目は木根さんが一番変わらないのも木根さんらしい?と思った。

 

御三方それぞれがこの年齢にしてさらにブラッシュアップしていくのがとにかくかっこいいし、尊敬できるな、と。

この「Whatever Comes」で今現在の最新形態のTM NETWORKを見せて聴かせてくれていることはリスナーやFanksに希望と勇気を沢山与えてくれている。これからも僕は彼らを聴いて生きていきたいと思った。

 

このCDの4曲目にはゲワイの最新リマスターである「Get Wild」(2023Remarter)が収録されているが、発売から36年が経とうとも不思議と古さを全く感じない。これは本当に凄い事だと思う。いつ聴いてもどの時代にでも通用する名曲中の名曲だ。すごいぞTM NETWORK

 

「風のない十字路」とは

みなさん、はじめまして。

(はじめましてではない方、お久しぶりです)

gooブログからこのはてなブログに引っ越してきました。ブログタイトルを一新してアルバムレビューなどを定期的に書いていこうと思います。

 

この「風のない十字路」というタイトルは僕が大好きなTM NETWORKの楽曲から取っています。といっても全然メジャーな曲でもないしシングルA面曲でもない。俗に【木根バラ】と言われるメンバーの一人、木根尚登さんが作曲しているバラードの中のひとつ。

2004年リリースのシングル「NETWORK」の3曲目に収録されている。


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しかし数あるTM NETWORKの曲の中でも個人的に何故かトップクラスに好きな曲だから。そしてあまりTM NETWORKらしさを感じないタイトルと楽曲を支配するなんとなくどんよりとした曇天模様な雰囲気。そこに魅力を感じ20年近く経つわけです。

 

Get Wild」しか知らない方にも良ければ聴いてみてほしい、、、とは別にならないが(笑)気が向いたらで良いと思う。そんなマイナーな曲を好きだからこそブログタイトルに付けてみたのです。

 

B'z『SURVIVE』 それは25年経っても色褪せない名盤


1997年11月19日発売

1.DEEP KISS
2.スイマーよ!!
3.Survive
4.Liar! Liar!
5.ハピネス
6.FIREBALL
7.Do me
8.泣いて泣いて泣きやんだら
9.CAT
10.だったらあげちゃえよ
11.Shower
12.Calling

 

今からちょうど25年前の今日、1997年11月19日
B'zの9作目のオリジナルアルバム『SURVIVE』が発売された日。

もうあれから25年も経つなんて、とかいうと自分が歳を取ったなと
嫌でも思い知らされるけど、いや当時15歳の高校生が40歳のおじさん
だからね(笑)

それ以上にB'zがそれだけの年月が経ってもバリバリの現役で活動
しているってのがとんでもないわけで。
稲葉さんが当時33歳で現在58歳。松本さんが当時36歳で現在61歳。
年月はやはり経っていたんだね・・・

僕はB'zのオリジナルアルバムで一番のお気に入りは当然今回
こうしてブログでわざわざ見計らって書いてるわけだから
『SURVIVE』なんだけど。本当に1曲目の「DEEP KISS」から
12曲目の「Calling」までバラエティ豊かに絶頂期の彼らを堪能できる。

1990年代中盤から後半はCD売り上げの面から見ても音楽業界全体が
最盛期だったように思う。特にB'zとしては圧巻だったのがこの
『SURVIVE』を含めた1998年のオリコン年間ランキングだろう。

翌1998年にデビュー10年目を迎えたB'zは5月に『Pleasure』
9月に『Treasure』というベストアルバムをリリースし2作品合わせて
1000万枚に迫るとんでもないビッグセールスを記録し年間アルバム
ランキングの堂々1位2位を独占。これだけでも音楽史上稀にみる
記録だが、しれっと年間第10位に『SURVIVE』もランクインさせている。

『SURVIVE』はデビュー10年目を目前に作り上げた集大成的な作品とも
思う。1995年リリースの『LOOSE』よりは派手さや豪華さはないものの
よりB'zの良さが表れているように今でも感じる。

収録されているシングル3作品でもそれはよくわかる。
「FIREBALL」ではキャッチーさよりもヘヴィさやハードさを前面に出し
たせいかそれまで100万枚を必ず超えていた売り上げが70万枚台まで
落ち込み当時はファン離れが起きたとか起きないとか(笑)

「Calling」は今でも人気投票をすればTOP10には入るであろうロッカ
バラードの代表格的ソングであり、イントロアウトロの激しいギター
フレーズと、中盤で聴かれる美しいピアノとともに紡がれるしっとり
ボーカルとの対比が素晴らしい。

Liar! Liar!は3分弱の短さながらB'zの得意とする稲葉節の詞を韻を
踏みつつ疾走するポップロックでサビではすべての楽器隊が同じフレーズ
を演奏しているという珍しい曲構成を取っている。聴きやすさという
点ではアルバム中でも一番だろうか。

この3曲のシングル曲を中心にタイトル曲「Survive」「ハピネス」
というB'zらしさあふれるバラード曲。「泣いて泣いて泣きやんだら」
ギターがこぶしを表現しているような演歌や歌謡曲ぽさを感じるし。

「夢見が丘」的オリエンタル風サウンドメイクな「CAT」はとにかく
ミャオミャオしてる詞も楽しいしギターエフェクトを猫の鳴き声風に
アレンジしているのも見事。

やりたい放題やってる「だったらあげちゃえよ」もひたすら良い雰囲気
だし、ギターソロもソロ明けのシャウトもめちゃくちゃカッコイイし。
90年代B'zといえばギラギラしてるブラス隊も活躍してる。

そしてやはり心臓音バクバクのハードロック「DEEP KISS」から間髪入れず
続く「スイマーよ!!」がこの『SURVIVE』というアルバムの心臓部だろうか。
デジタルとロックの融合といえばよくある表現だけどまさに完璧な1曲だと
思う。僕はこの曲で完全に心を掴まれてしまった。

 

長くなったが『SURVIVE』がずっと好きで25年も聴き続けてこられて
本当にB'zのお二人には感謝しかない。これからもかっこいい音楽を皆に
届けてほしいです。

 

あと余談なのですが、、、お付き合いください
僕の記憶が曖昧だが、1997年11月19日のあの日は水曜日だった。
アニメ「ドラゴンボールGT」が最終回を迎えた。僕はもう悲しくて放心状態
だったが本編が終わり、CM明けに最後のエンディングが流れて
(エンディング曲はWANDSの名曲「錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう」)
次週からはリメイク版「ドクタースランプ」が始まるよって告知が流れた
直後のCMがたしか『SURVIVE』のCMだったような記憶がある。

実家にはこの時の録画VHSテープがあったが今はもうどこにいったかわか
らないから確かめようがない。誰かわかる方がいたら教えてくださいm(_ _)m

早見沙織『Live Love Laugh』 - アルバムレビューvol.133


2016年5月リリース

1.NOTE
2.やさしい希望
3.その声が地図になる
4.水槽
5.レンダン
6.あるゆらぐひ
7.LET'S TRY AGAIN
8.ESCORT
9.Installation
10.ブルーアワーに祈りを
11.To years letter

 

久々のブログ、レビューに関してはなんと1年近くぶり。
声優の早見沙織さんの1stアルバム『Live Love Laugh』
今回レビューしてみました。とにかく素敵な歌声に魅了
されてしまいます。


1.NOTE
穏やかなアコースティックギターとピアノの旋律から始まる1曲目。
シングル曲ではないがとても明るいサビが気持ちよい。掴みはバッチリだ。

2.やさしい希望
軽快なイントロから早見さんの優しい歌声が素晴らしい彼女の歌手デビュー
シングル曲。作詞も彼女自身。タイトル通りの楽曲といえる名曲だろう。
サビメロがとにかく美しく彼女の声が十二分に生かされた1曲だ。

3.その声が地図になる
前曲とほぼ繋がっているような錯覚をしてしまうポップナンバー。
こちらは作詞に加え作曲にも参加している意欲曲。2ndシングルにもなって
おりオリコン10位を記録した。

4.水槽
こちらも明るいポップナンバーだがサビ以外のメロでは若干低いキーで
歌っており前3曲とは少し雰囲気が違う。シンセとSEが印象的だ。

5.レンダン
アカペラで始まるミュージカル風な1曲。サビでのファルセットを駆使して
のボーカルは見事の一言。コーラスも上手くこなしている。僕個人かなり
気に入ってしまった曲だ。

6.あるゆらぐひ
風変わりなタイトルなピアノ主体のバラード。こういう音数の少ない
曲ではその歌い手の上手さ下手さ丸判りになるが彼女の場合は抜群に
上手い。ベテラン歌手みたいな風格さえ感じる。

7.LET'S TRY AGAIN
2ndシングルのC/W曲。個人的にはアルバム中では一番普通かなぁと
感じてしまった曲だ。サビの入り方がけっこう好きだ。

8.ESCORT
非常にアダルティな雰囲気たっぷりなJAZZ曲。とにかく上手すぎる。
1stアルバムでこんなに上手く歌える人はそうはいないはず。表現力が
素晴らしい。

9.Installation
2ndシングル曲。アルバム中では一番激しいロックナンバー。この曲で
は特に艶のある歌声を聴かせてくれる。メロディとバックの楽器隊にも
負けない力強さもあるのが早見さんの武器だろう。

10.ブルーアワーに祈りを
前曲と対をなすようなゆったりしたバラード。再びサビでのファルセット
もさらりと歌いこなしているのが見事だろう。2000年代初頭によくあった
メロディラインを彷彿とさせる曲だ。

11.To years letter
アルバムを締めくくるのは90年代の数ある大ヒット曲達に習ったような
王道メロディが心地よいバラードだ。終盤での「ららら~」のコーラスも
なんだか暖かい気持ちにさせてくれる名曲だ。



1stアルバムにしてほぼ完成されている感のある早見さんの歌声に
魅了されっぱなしで、なおかつシングル曲以上にアルバム曲がより
彼女の素晴らしさを引き出していたように思う。

アルバム全体で90年代ポップスを意識したような王道っぷりになんだか
嬉しくなってしまった。非常に聴きやすいのと全11曲で50分に満たない
時間なのでダレることがないのも良い。

2020年初頭まで僕自身、声優さんの音楽作品は坂本真綾80%
水樹奈々15%林原めぐみ5%くらいの割合で聴いていたのだが、2月
頃に仕事で鬼滅の刃関連の事をやることになり世間的にも非常に
話題になっていたのでアニメを全話見てハマり、登場人物の胡蝶しのぶ
の声が早見沙織さんということを知り歌手活動もしているということで
興味が沸きふらっと1stアルバムを買ってみたら、、、、今に至るわけです。

早見さん、今一番ホットな女性声優さんじゃないかと思います。

そして今日は早見さんの誕生日ということでレビューしてみた次第です。

クラプトンの非公式?ベスト盤と父

先月末に父親が病気で亡くなった、まだ64歳だった。
1年前はなんともなかった父がここ8ヶ月という短い期間で
体を悪くして亡くなってしまった。

僕が音楽好きになったのは間違いなく父親の影響で、小学生の
ころから父の運転する車の中でエリック・クラプトンスティング
といった洋楽をはじめ浜田省吾山下達郎サザンオールスターズ
などの定番の邦楽を聴いていた。

特に印象深いのはクラプトンの名曲「いとしのレイラ」だろう。
子供心にイントロの激しいギターフレーズがとんでもなくかっこよかったし
熱唱するクラプトンの渋い声、そして曲後半に入りピアノを主体とした
メロウな旋律がやけに憎いなぁ、と今でも鮮明に覚えている。
父は必ずといっていいほどけっこうな音量で流すものだから車の中は
異様に盛り上がる(笑)

父は今思い返すと、そこまでアーティストの作品(オリジナルアルバム等)に
こだわっておらずにどちらかといえば自分が気に入った特定の曲をリピート
していたようだった。つまりベストアルバムというものが好きだった。

たしかに家でも車でも流していたのは各アーティストのベスト盤がほとんど
だった。主なところだと

山下達郎『トレジャーズ』
松任谷由実『ノイエ・ムジーク』
サザンオールスターズ『海のYeah!』『バラッド3』
小田和正『LOOKING BACK』『LOOKING BACK2』
浜田省吾『The History of Shogo Hamada "Since1975"』
竹内まりや『インプレッションズ』

などなど。

ただなぜか大好きなクラプトンに関しては99年にリリースされた
『Clapton Chronicles The Best of Eric Clapton』以前は公式なものは
持っていなかったようで、よくホームセンターや高速のSAなんかで
売られていることが多い非公式ベストCDをずっと聴いていた。

父が亡くなった後に父の作業場にあるCDケースの中にて発見。
懐かしすぎて涙出るよ↓↓↓

いつ買ったものかはまったくわからず、型番を入れても情報が出てこないCD
ジャケットもなんかそれっぽい画像や写真をそれっぽく合成しただけのテキトー
なもの(笑)とりあえず「ERIC CLAPTON」とあるのでわかるが、よくよく見ると
エリック・クラプトン /他」となっている。

裏側を見てみると・・・・

(見づらいが)1曲目は堂々の「いとしのレイラ」となっており全米1位を記録した
「アイ・ショット・ザ・シェリフ」。「コカイン」「レイ・ダウン・サリー」が
続き、クリーム時の名曲「ホワイトルーム」などが収録されていてまあまあの
選曲。

しかし9曲目から「哀愁のヨーロッパ」となり、右側にSantanaとある。左の
デカイ字のエリック・クラプトンの下にも小さく〈サンタナ〉とある。
つまり全16曲中半分ずつをクラプトンとサンタナの曲とが分け合っているのだ。

それにしてもサンタナの扱いがひどくないか?(笑)たしかに日本での知名度
クラプトン>>>サンタナなのだろうが、世界的に見たらサンタナ(カルロス・
サンタナ)も相当な有名なギタリストだ。

こういうテキトーな感じのCD嫌いじゃないけどね。
父は前述した99年のクラプトンのベスト盤を購入以降もしばらくはこのパチもの
ベストCDを聴いていた。なぜかというと99年盤ベストには「いとしのレイラ」
はアンプラグドバージョンしか収録されていないから。
(なので数年後に出た2枚組みのベスト盤を父にプレゼントした)

 

それにしても父が70代のクラプトンやポール(マッカートニー)、吉田拓郎よりも
先に亡くなるなんて少しも思ってなかった。本人も思ってなかったろうに。

いろいろなアーティストを教えてくれた父に本当に大感謝です。ありがとう。