風のない十字路

邦楽洋楽のアルバムレビューを主に書いてます。

劇場版シティーハンターを見てきたよ。


 

俺を呼んだのは君だろ?

 

見に行ってきましたよ!

『劇場版シティーハンター 新宿PRIVATE EYES』

 

まさか平成も残すところ3ヶ月というタイミングでシティーハンター
のアニメ完全新作をしかも映画で見れるなんて思わなかった。

僕はシティーハンターが大好きで当時のリアルタイムで見ていた
わけでなく再放送や後のアニマックスで主でしたがアニメ版全140話
も劇場版もTVスペシャルもすべて見尽くして、サントラや主題歌ももちろん
聴きまくっていました。

しかし1999年のTVスペシャルを最後にアニメのシティーハンター
放映がなくなりました。その後はスピンオフでありパラレルワールド
展開していた「エンジェルハート」がアニメ化もされたりTVドラマ化も
されましたが、やはり密かにはシティーハンターの復活を願っていました。

そして今回、まさかの新作でのアニメ映画化。もう僕は飛び上がりそうな
ほど嬉しかったです。しかも声優さんたちは全員オリジナルキャストという
ご褒美!さらに主題歌はシティーハンターといえばおなじみの我らが
TM NETWORKの「Get Wild」。こりゃ見ないわけにはいかない!!

 

んで見てきましたよ・・・もう、もうね、最高!!!の一言でした。

ストーリーは安定のシティーハンターっぷり(まあベタな展開で安心感たっぷり)
そしてあの頃から20年以上は経つので特にリョウ役の神谷明さんの声が
少し心配しましたが杞憂に終わりました。わずかに衰えたかな?くらいでした。
70歳の迎えてなおあの声はすごいな、と思いました。そして香役の伊倉さんは
まったく変わらず香でした、素晴らしい。

当時のアニメシリーズ時には若手で役名もない役で出ていた山寺さんや
大塚さんが重要な役どころで出演されているのは感慨深いものがありました。

そしてやはり劇中に容赦なく流れる歴代のOP/ED曲や挿入歌には正直参りました。
もうね鳥肌が立ちまくってて変な汗かいちゃったしね(笑)

だって始まって早々に「Angel Night」 だよ!!!もう「シティーハンター2」のあの
OPを瞬時に脳内再生余裕でした。その後は「RUNNING TO HORIZON」(「3」OP)
「SARA」(「2」後期OP)「ゴーゴーヘブン」(「1」後期OP)などが要所で流れ、
我々CHファンにはたまらないリョウがここぞという場面で活躍する時に必ず
流れた挿入歌「FOOTSTEPS」もしっかりと流してくれてたのはテンションMAX。

そして終盤には完璧なタイミングで「CITY HUNTER -愛よきえないで-」
(初代OP)がかかった際には全身が硬直しました、いやほんとに。いか
シティーハンターが名曲を生み出してきたかということですよね。

最後にはお決まりの「止めて引く」演出で流れ出す「Get Wild」ではむしろ
当たり前すぎて逆に鳥肌は立たず、ほっと安心しました。そしてEDクレジット中に
ちょこちょこっとアニメシリーズの名場面が新規映像で流れてたのは感激でした。

と、油断しているとふいに流れるあのシンセのイントロ。
そう「Still Love Her」(「2」後期ED)が流れ出すというまさかのTM2連発!!!
ここで僕は涙を流してしまったのです。うわぁ~~~ってなりました(声も出たっぽい)
映像はあの「2」EDと同じ演出、実写の新宿にリョウたちがさりげなく映るというもの。

スタッフさん!!やってくれたな!!ありがとう!!!!

もうね。見れてよかった。また見たい!!!

最後に、アイちゃん役の飯豊さんもとても自然なよい演技でした。素晴らしかった。 

TM NETWORK 『CAROL -A DAY IN A GIRL'S LIFE 1991-』 - アルバムレビュー vol.131


1988年12月リリース

1. A Day In A Girl's Life(永遠の一瞬)
2. Carol(Carol's ThemeⅠ)
3. Chase In Labyrinth(闇のラビリンス)
4. Gia Corm FillippoDia(Devil's Carnival)
5. Come On Everybody
6. Beyond The Time(Expanded Version)
7. Seven Days War(Four Pieces Band Mix)
8. You're The Best
9. Winter Comes Around(冬の一日)
10. In The Forest(君の声が聞こえる)
11. Carol(Carol's ThemeⅡ)
12. Just One Victory(たったひとつの勝利)
13. Still Love Her(失われた風景)

 

祝!発売から30年!!!

TM NETWORKのJ-POP史上に残すべき名盤『CAROL』1988年12月9日に発売されて今年で
ちょうど30年。そして今日で記念すべき30年目の日。ということでこのブログでは初期の初期
であるアルバムレビュー第8回にて一度取り上げているのですが、今回は改めて全曲レビューを
して取り上げたいと思います。



1. A Day In A Girl's Life(永遠の一瞬)
各楽器が徐々に鳴り始めて、物語【CAROL】の始まりを告げる男のナレーションが入り、女性
コーラスも入り、そして宇都宮隆のボーカルが入る。ロンドンに住むキャロル・ミュー・ダグラス
という少女に突如起こった異変・・・という内容だが、小室哲哉の紡ぎだすメロディはどことなく
不安を抱かせるような趣だ。この曲で聞こえるエレキギターのカッティングはB'zの松本孝弘が演奏
している。木根尚登アコースティックギターに専念している。

2. Carol(Carol's ThemeⅠ)
前曲から途切れることなく続くメロディはキャロルのテーマ曲と続く。2分半弱の短い曲だが、
キャロルに今から起こる不思議な体験を予期させるような静かな音を奏でる。ピアノの音がとても
シンプルで綺麗に聴こえるのが美しく。エレキギターもなかなかにハードである。

3. Chase In Labyrinth(闇のラビリンス)
異世界に迷い込んだキャロルが迷っている情景が浮かぶ1曲。前2曲とは少し雰囲気が変わったのも
うなずける、作詞/小室みつ子、作曲/木根尚登という布陣に変わったがゆったりになるどころか
スピード感が増したアップテンポな展開になりシンセの音も印象的だ。

4. Gia Corm FillippoDia(Devil's Carnival)
妖しい怪物の声が冒頭聞こえ、まさに副題の通り悪魔たちの宴を表現しているかのような曲。キネバラ
で有名な木根さんが作ったとは思えないくらいアグレッシブな曲調で驚く。シンセベースを奏でる小室
さんも曲の雰囲気をよく捉えていて素晴らしい。

5. Come On Everybody
ここから何曲かはキャロルの物語からは外れてシングル曲が続く構成となる。なんとなく舞台の途中に
休憩が入る感じで気軽に聴ける。特にこの曲は当時のTMが得意としていたダンスミュージック系の1曲
であり、TM30周年イヤー時のライブでもアレンジされて演奏されていたほどの人気曲だ。

6. Beyond The Time(Expanded Version)
知る人ぞ知る映画「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の主題歌にもなったシングル曲でそのガンダム
世界観を(特に宇宙を想像させるサウンドワーク)如実に表した小室さんの手腕は見事の一言だろう。と、
まあ僕は一度もガンダム見たことないからわからないんですが(笑)
ファン人気もさることながらガンダムファンからも非常に人気の高い曲であるとのこと。

7. Seven Days War(Four Pieces Band Mix)
この曲も映画タイアップ付き、「僕らの七日間戦争」の主題歌である。例によって僕は見たことがない。
しかしいきなり「Revolution...」と囁くようなウツさんのボーカルから始まるこの曲はTMを代表する
バラード曲としても有名になった。10代の若者の青春を切り取ったようなみつ子さんの歌詞も一聴の価値
がある。ただ素直に生きるために...

8. You're The Best
なんとなくTMにしては珍しいタイプの元気づけソング。少しアルバム中では浮き気味かなとも思うが、
まあそこは気にしない。何年か前にNHK(BS)で放送されていた『MASTER TAPE』というアーティスト
の名盤が産まれた当時を紐解く番組でこの『CAROL』が取り上げられた回があったが(YouTubeにも
アップされている)この曲のコーラス録りが相当苦労したと語られていた。


9. Winter Comes Around(冬の一日)
キネバラの中でも最上位だと思うこの冬の名曲中の名曲である。歌詞中に「凍る街路樹」という単語が
あるように刺すような極寒の情景を映したこの曲は、ウツさんのボーカルが最高に映える。アルバムレビュー
第8回時にも書いてあったがレコーディング中にあまりのウツさんの神がかった声にスタッフが泣いてしまう
というエピソードがあるほどだ。楽器もピアノメインにストリングスのみで得意のコーラスも一切なし、と
いう徹底ぶり。とにかく素晴らしい。


10. In The Forest(君の声が聞こえる)
ここからは再びキャロルの物語に戻ってくる。イントロはなぜか寒さを感じさせる趣向だ。ギターは再び
TAKが演奏している。森の中を仲間を探して彷徨っているキャロルが疾走感たっぷりに聴かせてくれる。
2014年のアルバム『QUIT30』のDisc2では『CAROL』からの再録でこの曲が選ばれより華やかなアレンジ
で蘇りFanksを喜ばせた。

11. Carol(Carol's ThemeⅡ)
2曲目と同じメロを用いたキャロルのテーマその2。

12. Just One Victory(たったひとつの勝利)
アルバム発売後にシングルカットされた曲。キャロル達の勝利を高々に告げる力強いウツさんのボーカルが
魅力でライブでも定番の1曲になっていた。曲中盤には突如3曲目「Chase In Labyrinth」が挿入されており
ニヤリとさせられるこのあたりのアイデアは小室さんならではだろう。終盤も「just one victory now~♪」
と繰り返し繰り返しと出てきてアンセム感が増す。そして曲が終わったと思ったら、10曲目「In The Forest」
のインストバージョンが悲しげに流れるのが物語の終幕を思わせる。


13. Still Love Her(失われた風景)
屈指の大名曲。「シティーハンター2」のEDテーマとして「Get Wild」と共にシティーハンターファンの心
を30年以上掴んだまま離さないミディアムバラード。前曲のC/W曲として収録されているが知名度はこちらが
上だろう。過去の別れを後悔しながらも前を向いていかんとする男性を表現した歌詞はこのアルバム制作のた
めにロンドンに住んでいた小室さんによるもので歌詞にある「2階建てのバス」はロンドン特有の文化だ。
前述した番組『MASTER TAPE』の中ではこの曲のコーラス録りはスタッフ総勢で最後の最後に行われたと
語られていて、それを知ってこの曲の終盤のコーラスを聴くとジ~ンときてしまう。間奏の木根さんによる
ハーモニカのソロ部分は非常にハートフルで素晴らしい。

 



このレビューを書くにあたり2013年に発売されたBlu-spec2盤で聴いてみた。やはり何度何十回聴いても
素晴らしさは変わらずに音源がクリアになっていて迫力も増していてすごい。

1987年に「Get Wild」でブレイクしたTM NETWORKが同年にアルバム『SELF CONTROL
『humansystem』をリリースして大ヒットを飛ばして、期待が高まる中1988年になるとTMはリーダーの
小室さんはロンドンに移住し『CAROL』の制作の基盤をじっくりと作っていった。そしてウツさん、木根
さんはもちろん作詞の小室みつ子さんもそしてギタリストとしてサポートしていた松本さんもロンドンに長期
滞在しアルバムを作り上げていった。

そして苦労の末、できあがったアルバムは当時珍しかった明確なコンセプトのもと作られたコンセプトアルバム
として認知されその後、木根さんの執筆した小説「キャロル」やウツさんが声優として参加した
アニメ「キャロル」などのメディアミックスの走りとして今では当たり前の試みを行ったことでも有名に。

アルバム自体は彼らの最高の売り上げを記録しており当時のオリコンチャートでも1位を記録しており
知名度でもおそらく一番高いと思われます。

30年の時を経てもまったく輝きを失わない『CAROL』。今後もずっと聴いていきたい作品のひとつです。

スキマスイッチ 『スキマスイッチ』 - アルバムレビュー vol.130


2014年12月リリース

1.ゲノム
2.パラボラヴァ
3.僕と傘と日曜日
4.Life×Life×Life
5.Ah Yeah!!
6.夏のコスモナウト(album ver.)
7.蝶々ノコナ
8.思い出クロール
9.星のうつわ(album ver.)
10.SF


スキマスイッチは2003年メジャーデビューのポップユニット。今年で15周年を迎える。
ボーカル、ギターの大橋卓弥 鍵盤、コーラスの常田真太郎の2人からなる。今回のレビュー
は4年前の6thアルバムでセルフタイトルとなったスキマスイッチを取り上げましたよ。



1.ゲノム
アルバム開幕の1曲目はかなり激しめなロックナンバー。サビでの爆発するような「叫べ」「壊せ」「暴け」
などの歌詞が衝撃的でもありインパクト十分だ。

2.パラボラヴァ
21thシングル曲。ドラム、ピアノ、ギターの順に演奏が始まるアルバムのリード曲ともいえる
1曲で、彼ららしい明るいほのぼのとしたラブソングになっている。跳ねるようなピアノフレーズ
がアクセントになっている。

3.僕と傘と日曜日
後にオリジナルラブ田島貴男氏のプロデュースにてリアレンジされることにもなるミディアム
テンポの優しい曲。やはり聞いていて気持ちのよいサビメロが至高だ。シティポップ寄りな曲の
雰囲気もあり安心して聴いていられる。

4.Life×Life×Life
ほのぼのした雰囲気をフルートが放ち、暖かい午後の休み時間に聴いていたいと思わせる曲。
大橋さんも好きだというミスチルの曲にこの曲によく似た雰囲気の曲があったがなんて曲かは
思い出せない・・・

5.Ah Yeah!!
20thシングル曲。アニメ「ハイキュー」の主題歌。アニメタイアップを多く持つ彼らの楽曲の
中でも爽快感溢れるロックチューンで珍しく大橋さんもエレキギターで演奏している。アルバム
の真ん中に位置し、アルバムの核とも言える1曲だ。スキマスイッチのロックテイストな曲の
中でもかなり好きだったりする。

6.夏のコスモナウト(album ver.)
20thシングルC/W曲。なにやらラジオの局ザッピングをしているかのようなイントロ部が追加
されてアレンジされている。爽やかな初夏、夏の情景を思い浮かべさせる青春真っ只中的な1曲。
スキマの曲のサビメロはみんな耳なじみよくてたまらない。

7.蝶々ノコナ
図太いベースラインが前面に出てきていてメロディアスでありながら少々クセのあるファンクぽさ
が印象的な曲で、後半は80年代よく使用されていたようなシンセサウンドを聴くことができる。

8.思い出クロール
センチメンタルさが上手く表現されている、学生時代をふと思い出したくなるような1曲で地味ながら
なかなか気に入っている。

9.星のうつわ(album ver.)
22thシングル曲。『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』主題歌。なんといっても管理人大好き
NARUTOの劇場版の感動のラストで流れる名曲中の名曲である。静かなピアノとシンセからゆっ
くりと始まるバラードでシングルverと違い雰囲気あるフェードアウトで終わるのもグッド。
歌詞は一緒にいてくれる人のいる大切さと人間の生き様を歌う壮大な内容、思わず劇中のナルトと
ヒナタのことをシンクロしてしまい泣けてくる。タイトルも絶妙な付け方だと思う。

10.SF
wikiによれば元々アルバム1曲目を意識して作られていたようだが、最終的にラストに収められる
ことになった。たしかにこういう曲を先頭に据えても面白いだろうが、このアルバムでは閉めにしっくり
くる気がした。最終盤に歪むギターリフに大橋さんの熱唱が入るのがすごく良い。SFめいた事をしたく
ても現実にはできないけど、音楽を刻むことはできる喜びを表す詞も素敵だなと感じた。

 


 


このアルバム『スキマスイッチ』を聴いてみて個人的には彼らのアルバムでは一番お気に入りの
作品になった。僕は彼らをドラえもんの劇場版の主題歌だった「ボクノート」で知ったが、その頃の
アルバムよりさらに洗練されたメロディセンスと演奏と歌で埋め尽くされていると感じた。

彼らは作詞・作曲をそれぞれの個人名義でなく「スキマスイッチ」としてクレジットしているが
それは大橋さん常田さんの培ってきた2人の力の結晶であり、ここまで素晴らしいメロディを作るユニット
はそうそういないと思う。今のメジャーシーンの中で小難しいものや聴きにくいというネガティブなものが
少ないミュージシャンの一組だろうか。

熱心なスキマスイッチファンではないけれど、「星のうつわ」「LINE」というNARUTOに提供している
この2曲だけでも彼らのセンスと楽曲の持つパワーは素晴らしいと感じた。NARUTOファンである僕だから
よけいに贔屓目に見ているのかもしれけれど(笑)ぜひBORUTOにも曲提供をしてほしいと願いますm(_ _)m

この全10曲にスキマスイッチの魅力が最大限に詰まっていると言っても過言でないくらい名盤だと
おすすめできます。

 


「星のうつわ」(album ver.)の『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』MAD動画


「Ah Yeah!!」ショートver

ZARD 『OH MY LOVE』 - アルバムレビュー vol.129

1994年6月リリース

1. Oh my love
2. Top Secret
3. きっと忘れない
4. もう少し あと少し・・・
5. 雨に濡れて
6. この愛に泳ぎ疲れても
7. I still remember
8. If you gimme smile
9. 来年の夏も
10. あなたに帰りたい

 

2015年5月27日のブログ『TODAY IS ANOTHER DAY』
2016年5月27日のブログ『永遠』
2017年5月27日のブログ『君とのDistance』

今年で坂井泉水さんが亡くなって早11年が経ちます。いや、なんか早すぎる、もうそんなに
時間が経過したなんて恐ろしい。しかしZARDは永遠にあり続ける存在。
今年もZARDを坂井さんのお声をしっかりと聴いていきたいと思います。

今回は5作目のオリジナルアルバム『OH MY LOVE』です。まさにセールス、人気ともに
絶頂期ともいえる時期の超力作だと思います。


1. Oh my love
1曲目からアルバムタイトル曲。さわやかな印象のエレキとアコギの音からスッとボーカル
に入っていく、清涼感たっぷりの坂井さんの声でたまりません。アルバム曲でありながらも
人気はかなり高く『SUN&STONE』をはじめベスト盤には必ず入ってくるという名曲。
恋人とのデートの情景が淡く描写されている歌詞も良い。

2. Top Secret
いきなり「今夜のシチュー自信あったのに」ときました。食べたいですそれ(笑)な1曲。
うっすら昔の元恋人に未練があるのか、と思わせるような歌詞が面白い。曲自体は正統派
のJ-POPで聴きやすい。

3. きっと忘れない
10枚目のシングル曲。95年までのシングル曲の中では比較的に好きな1曲です。アルバムver
を聴くにイントロのアカペラがゆったりしてるし、コーラスなんかもエコーが強めにかかって
いて少し印象が変わります。アルバム発売が夏直前あたりなので歌詞に冬の情景が出てきて
いるのが逆にこの曲の印象を強くしている。

4. もう少し あと少し・・・
9枚目のシングル曲。シングル発売当時タイトル通りに惜しくもオリコンチャート2位を記録した
この曲だが、1位だったのが槇原敬之のシングル「No.1」だったというのは有名なエピソード。
不倫をしている女性のことを歌った歌詞がなかなかに強烈だがやはり「追伸:あなたの生まれた家を
見てきました」はちょっとコワイ(笑)

5. 雨に濡れて
前年リリースのZYYG,REV,ZARD&WANDS「果てしない夢を」のCW曲のZARDセルフカバー版。
当然だが全編において坂井さんがボーカルだが先にオリジナル版を聴きまくっていた僕は当時なんか
物足りない感じがあって(最後のサビ部も無くなってるし)それほど好きじゃなかった。しかし今聴く
坂井さんが単独で歌ったほうが切なさがよく出ていて良いんじゃないかと思えた。名曲!

6. この愛に泳ぎ疲れても
11枚目のシングル曲。95年までのシングル曲の中では一番好きかもしれない、この曲の1番サビ後
に急に転調してロックテイストになるのが当時とても斬新でZARDもこんな曲やるんだな~と思った。
サスペンスドラマシリーズの主題歌でもあった(見たことはないけど)ので余計にこのダークさが
マッチしていた。作曲は織田哲郎、彼の得意分野のロックな面が上手くZARDと融合していた。

7. I still remember
ピアノのイントロから始まる情緒あふれるバラード曲。恋人との別れを思い出している女性目線の
かなり切ない内容なのだが坂井さんの声の温かさで救われている印象を持つ。99年のベスト盤
『Request Memorial』にも収録されて僕は思わず唸ったのをなんとなく覚えてる。間奏のギター
ソロはかなりな名演だ。


8. If you gimme smile
アルバム中で一番単純に明るいポップチューン。倉木麻衣の「Feel Fine!」みたいな感じだろうか。
ZARDがライブアーティストであったならこの曲は盛り上げ曲にはもってこいなんじゃないかな、
途中ハンドクラップとかあるし。

9. 来年の夏も
夏をテーマにしたセレクトアルバム『SUN&STONE』にも収録されたミディアムテンポな1曲。
基本的に夏が嫌いな自分にとってZARDの歌う夏は救いの手みたいな感じで、この曲の清涼感は
たまらないです。曲でたびたび顔を出す、軽やかに踊るようなピアノがとても好きだったりします。
付き合いはじめたカップルの近い未来を願う歌詞も好きです。

10. あなたに帰りたい
ZARDでは珍しい6分超えのロックバラード。秋冬をテーマにしたセレクトアルバム『LEAF&SNOW』
にも収録された。ロックテイストなのが最終盤にはストリングスがメインになるところが壮大さを
感じさせる。この「あなたに帰りたい」という表現は坂井さんらしいというか彼女にしかできない
詞の表現の幅の広さだろう。


全10曲で非常に内容の濃いアルバムだと改めて感じました。シングル曲3曲も上手くアルバム内に
溶け込んでいて違和感がまったくない。あくまで個人的にだが90年代ZARDで一番好きなアルバムは
『HOLD ME』だが完成度的には『OH MY LOVE』を推したいと思います。

これはウィキペディアを見て知ったことだがこのアルバム全10曲のうちなんと8曲もが『Forever Best』
に収録されているのだ。これはいかにこのアルバムから人気曲が生まれていたかということ。
この時期のZARDといえば栗林誠一郎織田哲郎でこの二人で全曲を作曲しているのも注目すべき点。

ちなみにこのアルバムジャケットやブックレットの写真はなんとなく水彩画っぽくモヤがかかったよう
な処理がされていて妙に坂井さんが神秘的に見えるのもすごく良い。この愛に泳ぎ疲れても」「I Still
 Remember」の歌詞のページのGジャン、ジーンズの坂井さんが個人的にベストショット(なんの話を
してるんだ自分は..)で横顔も美しいですよね。

命日である5月27日はたっぷりZARDを聴いて思い出に浸りたいですね。

 


Oh my love


この愛に泳ぎ疲れても

YES 『ロンリー・ハート / 90125』 - アルバムレビュー vol.128


1983年11月リリース

1.Owner Of A Lonely Heart
2.Hold On
3.It Can Happen
4.Changes
5.Cinema
6.Leave It
7.Our Song
8.City Of Love
9.Hearts

今回は去年(2017年)にどハマりしたイギリスのロックバンド・エス
超有名作であるロンリー・ハート(原題:90125)のレビューです。

知る人ぞ知る、イギリスが生んだ大ベテランバンドであるイエス
なんとデビューは1969年!今年でなんと49年目とかいう半世紀も続く
大御所様。と、まあ途中活動してなかったり、別名バンドになりそうだったり
といろいろとゴタゴタがあるのはまあ仕方ないだろうけどね。

去年は4月にロック・オブ・フェイム(ロックの殿堂)入りして、久々に
エスとしてパフォーマンスをした彼ら。その際に演奏したのがかの有名な
ラウンドアバウト / Roundabout」ロンリー・ハート / Owner Of A Lonely Heart」
の2曲。前者は70年代のプログレ期に生み出されたロック史に残る名曲で近年では
アニメ「ジョジョの奇妙な冒険」1部2部のエンディングテーマとして荒木先生の強い
希望で使用され話題に。後者は今回レビューするアルバムの1曲目に収録されている
彼ら最大のヒット曲(1983年全米1位)

ちなみにバンドのメンバーについては入れ替わりが多く割愛するが、このアルバム発表時
のメンバーは以下である。

ジョン・アンダーソン(vo)
クリス・スクワイヤ(ba) 
トレヴァー・ラビン(g,key)
アラン・ホワイト(dr)
トニー・ケイ(or)



1.Owner Of A Lonely Heart
邦題は「ロンリー・ハート」。エスの代表曲かつ最大のヒット曲である。おそらく
この曲は音楽を趣味としている人ならばどこかしらで耳にしているだろう、というくらい
に印象的な1曲。まずイントロのギターリフ、そして「ジャン!!」というSEのような音が
特に有名どころ(俗にオーケストラヒットと呼ばれるものでプロデューサーのトレヴァー
・ホーンが作り上げた)
この曲の70年代にプログレで一世を風靡したイエスと同じイエスなのか?という当時
の驚きは相当だったようで今でも賛否両論のネタにされている。しかしそれまで全米で
TOP10入りしたシングル曲がなかったイエスにとって唯一のTOP10入りした曲であり
唯一の1位をもぎ取った名曲であることは間違いない。ラビンのギターリフとソロが
耳から離れなくなる。

2.Hold On
力強いドラムから洗練されたギターではじまる、クールなロックチューン。
この曲もそれまでのイエスのイメージとは違うストレートなロックであり、サビでの
メインボーカルとコーラスの掛け合いが素晴らしい。終盤に聴こえ始めるキーボード
なんかは80年代ぽさがよく現れている。

3.It Can Happen
シタールやタブラといった楽器を用いたイントロメロが印象深いナンバー。
それに絡むスクワイヤのベースも何気に良い意味で気持ち悪い(笑)どちらかといえば
ポップな作風な中にあって癖が強めな曲でプログレ色も時折顔を見せる。そして
相変わらずな完璧なコーラスワーク。

4.Changes
邦題は「変革」(そのまんま)。金管楽器とフェードインしてくるドラムとベースが長い
イントロを奏でていきアコギ、エレキ、シンセがさらに入ってくる、サビ以外のボーカル
をラビンが、サビでは満を持してアンダーソンがボーカルを取るという変わった構成。
しかしながら個人的にはアルバム中では一番好きな曲である。この地味なカッコよさは
実際に聴いてほしい。アウトロですぱっと終わるギターソロがミソ。

5.Cinema
シネマというのは実はこのイエスが1980年に一度解散状態になったあとにスクワイヤ
アラン、トニーが結成し後にラビンを加入させた構成のバンド名である。しかしまあ色々
とあり(めんどいので割愛)離れていたアンダーソンを再びボーカルに迎えて、イエス
名乗ったことでシネマは消滅。その名残りがこのイエス史上唯一のグラミー賞を獲得した
(ロックインスト曲部門)インスト曲である、短いがなかなかのハードさだ。

6.Leave It
コーラスワークの鬼といわれるイエスの真骨頂を堪能できる珠玉の1曲。このアルバム
バージョンでは最低限の楽器の演奏がバックで流れているが、完全アカペラなバージョン
もありそちらも素晴らしい。ゴスペラーズなどがお好きな方にも一度聴いてほしい。

7.Our Song
シンセばりばりのいかにも80'sなポップチューン。疾走感がありドライブのお供にも
もってこいだろう。ピコピコ鳴ってるSEも特徴的。アンダーソンの高音ボーカルが
似合う。

8.City Of Love
図太いベースからはじまるミディアムテンポなハード曲。サビで鳴る重厚なギターと
シンセとオルガンとなかなか聴かせてくれる。

9.Hearts
アルバムのラストは80年代イエスと70年代イエスのエッセンスが上手く嚙み合った
大曲となっている。70年代は15分程度の長さの曲が当たり前のように存在していた
エスだがコンパクトかつテクニカルに10分以内で作り上げているのはお見事。
哀愁のあるサビメロとコーラスは美しく、よい締めくくりだ。



1970年代にプログレバンドとして『こわれもの』『危機』『海洋地形学の物語』など
ロック史に名を残す超名盤たちを世に出してきたイエスが1980年のツアー後に解散状態
になり3年後に80年代の名盤と呼ばれたこの『ロンリー・ハート』を出す、というかなり
ドラマティックな流れ。

よくもまあこれだけ音楽性を変化させて大ヒットさせたもんだな、と感心してしまう。
新メンバーのトレヴァー・ラビンと元バグルスで1980年にアルバム『ドラマ』にのみで
ボーカル参加し後にプロデューサーとして手腕を振るうトレヴァー・ホーンという
「二人のトレヴァー」が最大の功労者であろうか。「ロンリー・ハート」の全米1位を
皮切りにアルバム自体も5位を記録し300万枚超えのメガヒット。イエスは2度目の絶頂期
を迎えた。

とにかくイエスで一番聴きやすい良いアルバムということは声を大にして言えます。
洋楽初心者にもおススメです!!

90年代、2000年以降もイエスとして活動は続いていきますが、大ヒット作は出せなくなって
いきます。メンバーのさらなる脱退や死去もありますが、今でも現役バリバリのイエス、新作
を首を長くして待ってます。

近いうちに70年代のイエスの作品もレビューする予定です。


「Owner Of A Lonely Heart」


「Leave It」


「Changes」

坂本真綾 『少年アリス』 - アルバムレビュー vol.127


2003年12月リリース

1.うちゅうひこうしのうた
2.ソラヲミロ
3.スクラップ~別れの詩
4.まきばアリス!
5.真昼が雪
6.KINGFISHER GIRL The Song of “Wish You Were Here"
7.ヒーロー
8.夜
9.CALL TO ME
10.光あれ
11.ちびっこフォーク
12.park amsterdam (the whole story)
13.03
14.おきてがみ

なんとアルバムレビュー、7ヶ月ぶりの更新です。
お待たせ(?)しました。久々にやっております。

そして今回は坂本真綾さんの4th少年アリスをレビューします。
今から15年近く前の作品で、菅野よう子さんの全面プロデュース体制
はこの作品で終止符が打たれました。

僕が好きなアルバムの一つです。14曲とたっぷりなボリュームですが
案外すんなり聴けてしまいます。



1.うちゅうひこうしのうた
アルバム1曲目はいきなり聴く者を眠りに誘うこの曲。NHKみんなのうた
にも起用されていてシングル曲ではないがベスト盤『everywhere』にも収録
されており知名度もそこそこ。とにかくピアノに乗せて透明感たっぷりな
真綾ボイスはすばらしいの一言。宇宙飛行士と農夫の夢を見た少女という
独特の世界観も良い。タイトルがひらがなというのも雰囲気がある。

2.ソラヲミロ
うってかわりカタカナタイトル曲。ロックテイストで前曲でうとうとしてる
ところにガツンとやられることうけあい。少しぶっきらぼうな歌い方もテイスト
に合っている。

3.スクラップ~別れの詩
続いてこちらもロックテイスト満載な1曲。サビでの疾走感がとても気持ちよい。
作詞は岩里祐穂、真綾曲にはかかせない人で菅野氏とのタッグも多数あり、初期~
中期の真綾作品を象徴する方である。

4.まきばアリス!
カントリー調の楽しい感じのポップソング。1st『グレープフルーツ』の頃の
まだ稚拙な歌唱力だった真綾さんと比べるとかなりレベルアップしたな、と
唸ることができる。表現力がぐんと出てきて歌詞世界を思い浮かべられる。

5.真昼が雪
真綾曲には冬の曲が多々あるが、個人的にはかなり気に入っている冬曲。
冬の風を表現しているSEが全編聴こえているのが雰囲気を出している。
シンプルな曲だがコーラスが美しい。

6.KINGFISHER GIRL The Song of “Wish You Were Here"
世界的に活躍するイギリスの詩人クリス・モズデルが作詞している民族音楽
を意識した菅野節炸裂な1曲。少し低いキーで淡々と歌い上げる真綾さんの
歌唱は見事の一言。ピンク・フロイドの名盤タイトル『あなたがここにいてほしい』
と同名タイトル “Wish You Were Here" を使っているのも僕的にはツボ。

7.ヒーロー
シンセとSEとボーカルのみという短い曲。これも菅野色が強い。

8.夜
2nd『DIVE』の頃の楽曲の雰囲気にも似たマイナーコードで進行するクールな
ロックチューン。刹那的な歌詞をよく理解して感情を爆発させる真綾さんの
ボーカルはかなりな迫力があり、個人的にはこのアルバムの一番の聴きどころ
だと思ってる。

9.CALL TO ME
6に続き英語詞曲。ブックレットの歌詞ページにはNTTdocomoのCMソング
とのこと。なかなか渋い曲を選んだもんだな、と思う(笑)派手なサビがある
わけではないが妙に惹かれるメロでストリングスも効果的に挿入している。

10.光あれ
ベスト盤『everywhere』にも収録された名曲。アルバム曲ながらもライブでも
演奏される機会も多いようだ。タイトルから僕はB'zの「光芒」とも似たものを
感じる。無力な自分だけど希望は捨てない、と力強く歌う真綾さんは勇ましい。

11.ちびっこフォーク
タイトルから想像するよりずっと暗い雰囲気の反戦フォークソングみたいな曲。
この曲もアコギとボーカルのみの演奏曲だが、歌声の説得力が非常に強く感じる。

12.park amsterdam (the whole story)
再び英語詞曲。アルバムに3曲も(英語詞曲が)多いような気もするが、初期から
多くの英語詞曲を歌ってきた真綾さんだからリスナー側もそう違和感なく聴く
ことができる。洋楽を聴いてるような感覚。多重コーラスがこの曲の雰囲気
を少し明るくしている。

13.03
真綾さん出演のショートムービー『03』のテーマ曲(らしいが僕は未見)
異世界を思わせる変わった曲。個人的には特にこれといって、という曲。

14.おきてがみ
静かなピアノに語りかける(手紙を読むような)ようなボーカルが少し寂しさを
伴うバラード。生まれ育った町を突然出て行くことになった主人公が家族に
宛てた置手紙ということだろうか、なぜかこの主人公は「うちゅうひこうしのうた」
で不思議な夢を見た少女なような気がする。静かにアルバムを締めくくります。



坂本真綾×菅野よう子 という最強タッグの最終作の『少年アリス』。
しかしそれらの集大成という雰囲気はそれほど感じられず(もちろん坂本真綾という
歌い手としての実力は右肩上がり中だと思う)むしろジャケット写真やブックレット
内の写真にあるようなごつごつした荒野のようなダウナー系の曲が多いように感じた。

前作『Lucy』は非常に明るくポップな作風だったが、この変えてきようは少し驚いた。
しかしソリッドなメロディ、演奏、真綾ボーカルが美味く嚙み合って完成度は高い。
まあ菅野よう子という人はどんなジャンルでも上手く作り上げる奇才だと思っている。

これ以降、真綾さんは菅野プロデュースから離れてさまざまなアーティストとの出会いを
経てさらに進んでゆくことになる。

ちなみに同年(2003年)4月リリースのシングルtune the rainbowで自身初のオリ
コンシングルチャートTOP10入りを果たす(最高9位)、そして満を持して『少年アリス
もリリースしてオリコンアルバムチャートでオリジナルアルバムとしては初のTOP10入
りする(最高8位)。「tune the rainbow」は収録されていないがこれは同年7月リリース
の『シングルコレクション+ニコパチ』(最高3位!!)に先に収録されたためだろう。

2004年以降はシングル、アルバムともに頻繁にTOP10に入るようになり、同年シングル
innocent starter」で自身初のTOP10入りした水樹奈々さんとともに声優歌手で知名度
を上げていくことになる。


さて2018年も早々にシングル「CLEAR」をリリースする真綾さんですが、オリジナルアルバム
とツアーを待っております。

2017年ありがとうございました。

さて、今年ももう終わります。

なんとですね、今年のアルバムレビューはわずか6回・・・・

去年2016年は27回もやってましたが、、、

5月終わりにZARDさんをやってから開店休業状態に。

まあやる気が出なかったので、ま、仕方ない。

今年は僕はNHKアニメ『THE REFLECTION』の音楽を担当した

トレヴァー・ホーンの元在籍していたイエスにどっぷりハマった年でした。

洋楽はイエスくらいしか聴かなかったですね。

邦楽はGARNET CROWに再ハマりしましたし。

まあ2017年はそこそこアルバムレビューできればいいかな、と。

もったいないし閉鎖する予定はないので、気が進めばやりますよ。

ということで来年には僕は36歳になります。もうオジサンです。

それでは本年もこのブログ、ツイッター、ともにありがとうございました。

2017年12月31日